全身性エリテマトーデス(SLE)は、若年から中年女性に好発する原因不明の臓器非特異的な自己免疫疾患であり、抗核抗体をはじめとした各種自己抗体と免疫複合体の形成を認めます。
全身性の非感染性慢性炎症性疾患であり、完全治癒は困難ですが、寛解へ導きうる疾患になりつつあります。
遺伝的要因や環境要因の関与により発症します。
一般的に、初発症状として発熱、関節痛、紅斑がみられ、その後、溶血性貧血や全身性血管炎、レイノー症状(指先の血行障害)、ループス腎炎(免疫複合体沈着による糸球体腎炎)などの症状が現れます。
症状は個人差が大きく特異的なものは少ないです。
非特異的症状の原因究明の検査の中で自己抗体が認められ、全身性エリテマトーデスを疑うことも少なくありません。
治療では主に副腎皮質ステロイド性薬や免疫抑制薬を用いますが、これらの薬剤にはさまざまな副作用があるため必要かつ最低限の投与量に留めます。
そのほか、血漿交換や免疫グロブリン大量投与などを行うこともあります。